自衛官候補生として入隊したけど、次の任期制満了で自衛官を辞めようと考えている人もいるでしょう。
任期制自衛官の再就職といえば、就職援護を使うのが一般的かと思います。
でも、
- やりたい仕事が見つからない
- 就職援護の求人には魅力的な企業がない
- 自分でもっと別の求人を探したいけど、やり方が分からない
などなど…、そんな風に就職活動にお悩みではありませんか?
高卒入隊の人の場合は、就職活動といえば自衛官を受けるときの面接ぐらいしか経験がないので、自分で再就職先を探す方法を知らないのは仕方ありません。
今回はそのように「任期満了で退職予定だけど、再就職探しの仕方がわからない」という方に向けて、後悔しない転職方法についてご紹介いたします。
任期制自衛官の再就職先の探し方
任期制自衛官が再就職先を探すときには、ほとんどの方が就職援護のお世話になるかと思います。
そこで地域援護センターや駐屯地の援護室担当者に相談をすると、再就職先の条件や希望を聞いてくると思います。
就職援護から紹介された求人の中から、必死に自分に合いそうな仕事を選んでる人もいるでしょう。
また、気になった求人があれば、一通り面接の練習もしてくれます。
この面接の練習の時点でなかなかうまく行かずに「俺、本当に再就職できるのかな?」と落ち込む人も多いです。
自衛隊のような閉鎖空間で生きていると、就職援護から斡旋される求人が全てのように感じてしまう人も多いので、再就職探しが難航してしまうこともあります。
実は任期制自衛官に紹介される就職援護の求人は3Kが多い
しかし、就職援護の実態をご存じですか?
就職援護で見つけた再就職先が合わなかったり、待遇が悪すぎて生活に困ったり…
いわゆる3Kと呼ばれる求人が多いので、自衛隊を退職後、再就職して後悔したという人が出てくるのです。
3Kの仕事ってどんな仕事?
3Kとは
きつい、危険、きたないで3Kです。
「それって自衛隊も似たようなものじゃん」という突っ込みもあるかと思うのですが、自衛隊は公務員なので給料と福利厚生がしっかりしているだけマシです。
民間企業の3Kは仕事内容に見合った給料が支給されないことが多いので問題なのです。
例えば、就職援護には下記のような求人が多く集まります。
- 工事・現場系
- ドライバー・運輸系
- 警備員
- 介護系
これらの仕事は、人で不足で常に人材を募集していますが、給料が低いことでも有名な職種になります。
退職自衛官が待遇の悪い仕事に再就職してしまう本当の理由
多くの自衛官が就職援護から紹介された求人で再就職をしていきます。
ですが、ネットの掲示板やブログなどに掲載されてる体験談などを見ると「自衛隊を辞めて後悔している」といった内容が多いことに気づきます。
- 給料が自衛隊時代より少ない
- 勤務時間が長く結局プライベート時間がない
- 正社員ではなく契約社員で再就職したので将来性が不安
- 人間関係が上手くいかずスグに辞めてしまった
いわゆる「ブラック企業」に再就職してしまたというケースです。
なぜ就職援護にはブラック企業の求人が集まるのか
就職援護で斡旋された企業がブラック会社だなんて信じられないかもしれませんが、実はこれにはからくりがあります。
自衛隊に求人を出す企業というのは、自衛官の特性を狙って出しています。
自衛官の特性とは…
- 体力がある
- 上司の命令には逆らわない
- 忍耐力がある
これは悪く言ってしまえば「都合の良い人材」です。
そして、こうした人材を必要とするのが3Kと呼ばれて不人気の企業や業界なんです。
先ほど紹介した「警備」「介護」「ドライバー」といった職業は、忍耐力があり体力が無いと務まらないうえ、上司の命令は絶対なことが多いです。
転職活動をしている一般人は、こうした企業は避けるようにしています。
なので求人を出してもなかなか人材が集まらなくて苦労しているのです。
だから比較的スグに人材が確保できそうな自衛隊に求人を出すのです。
ですが、自衛官だけは閉鎖空間で生活してきたので、どういった求人が怪しいのか判断する能力がないんです。
就職援護経由で紹介された求人が全てだと思い込んでしまい、自分が選んだ求人が良いのか悪いのかを判断できません。
世間一般的に見て普通の求人内容なのかどうか分からないまま、なんとなく就職援護の担当者の言われた通りに応募してしまいます。
つまり、退職自衛官が待遇の悪い仕事に再就職してしまう本当の理由とは
「就職援護担当者の言われた通りに行動してしまうから」なんです。
自分で何も考えず人から言われた通りに再就職先を決めてしまうと、「自衛隊を辞めて後悔してしまった」という人がでてきます。
そうならないためにも、自分でちゃんと考えて再就職先を探すことが重要になってきます。
退職予定自衛官の再就職の探し方は3通り
任期制自衛官が再就職先を探す方法は大きく分けて3つあります。
- 自衛隊の就職援護を使う
- ハローワークを利用する
- 求人サイトを利用する
- 転職エージェントを利用する
どの方法を使ってもいいですが、自分に合った方法を選ぶのが大切ですね。
1つずつ説明していくので、どの方法が自分にぴったりか少し考えてみてください。
自衛隊の就職援護を使う方法
先ほどから説明してきた自衛隊の就職援護を使う方法です。
多くの任期制自衛官が再就職先を探す手段として使います。
各駐屯地の就職援護に集まった求人の中から応募企業を探します。
実はこれ、駐屯地事ではなく地方協力本部が取りまとめています。
ですから地元密着型の企業が多く集まる傾向があります。
また、既に自衛隊退職し民間で働いているOBからの紹介を受けることもあり、コネが使える人なら割とイージーモードで待遇のよい仕事に就くこともあります。
就職援護主催の企業説明会には必ず参加しよう
自衛隊以外の職歴が無くて初めて転職活動をするという人は、まずは必ず企業説明会には参加しましょう。
これはだいたい毎年8月~11月頃にかけて行われていて、各都道府県の地方協力本部主催で実施されます。
自衛隊の営内で生活し仕事をしていると、なかなか民間の企業説明会に参加できる機会というのは無いので、就職活動のイメージを持つ為にもぜひ参加しましょう。
ただ、この企業説明会に参加する企業というのは、就職援護が扱っている求人の中でもほんの一部です。
企業説明会に参加しているから優良企業だとか、参加してないからブラック企業だというのではないので心に留めておきましょう。
実際にはもっといろいろな求人が就職援護に集まっていますので、もっと求人を見たい方はぜひ説明会終了後に就職援護の担当者に聞いてみましょう。
自衛隊OBから就職先を斡旋してもらう
自衛隊OBからの斡旋というと「天下り」を連想するかもしれませんが、任期制自衛官に天下りといった言葉は縁がないので頭に入れておきましょう。(定年時1佐以上の自衛官のみ心配する言葉でしょう)
以前に自衛隊で働いていた先輩が民間企業で働いてて「今度後輩が退職するんで…」という話を会社の上司にしたとしましょう。
それで会社側も「先輩君が良く働いてくれるし、後輩君もウチに来てもらうかな」という場合も、稀ですがあります。
つまり、企業側と退職予定自衛官の間ですでに雇用の意志が固まっている事になります。
こういう場合でも、直接企業に連絡することは禁止されているので、一応は就職援護を通して応募することになります。
もしそういった話があるのなら企業側や先輩に「自衛隊の就職援護に求人を出してください」とお願いしてみましょう。
ハローワークを利用する
ハローワークは聞いたことありますよね?
求人を探したり、民間企業を退職した際の退職手続きをする場所です。
スマホからでも全国のハローワークの求人を見ることができます。
というわけで営内者でハローワークに足を運べない人でも求人の閲覧はできますよ。
気になった求人の詳細を聞きたい場合や、実際に応募する際にはハローワークに足を運んで職員から紹介状を発行してもらう必要があります。
ハローワークには大手企業や有名企業の求人はあまりありませんが、地元企業が多いので地元で働きたいという人にはオススメです。
ハローワークの転職サポートはあまり期待できない
ハローワークは主に求人を紹介する場所、と思っておいた方がよいです。
1対1での面接練習や、履歴書の書き方などは教えてくれません。
ですからそうした面接対策などは自分で対処するしかありません。
なので始めての転職で不安だという方は、あまりハローワークを使うのはオススメできません。
求人サイトを利用する
求人サイトに集まる多くの求人は「中途採用」の物が多いです。
任期制自衛官が再就職探しをするときは、ほとんどが中途採用枠になるので、求人サイトを使うのは理にかなっています。
求人サイトは無料登録で使えます。登録作業は1分~5分程度で終わるので簡単です。ぜひ登録しましょう。
求人サイトの中には10万件を超える求人が掲載されていることもあり、就職援護が登録している求人数の約5倍以上もの旧jンを見ることができます。
また、幅広い業種や職業の求人があり、自分に合いそうな仕事が見つかりやすいというメリットがあります。
自分がのやりたい仕事が見つからない、分からないという方は、求人サイトでただ求人を眺めているだけでもかなり収獲があると思います。
転職エージェントを利用する
転職エージェントは、簡単にいってしまえば自衛隊の就職援護の民間バージョンです。
- 求人の紹介
- 面接練習
- 履歴書の書き方や指導
- 企業側との調整
などを行ってくれる会社です。利用料は無料です。
転職エージェントに利用登録をしたのち、担当者と面談を行います。
希望勤務地、職種・業界、給料、福利厚生などの希望条件を伝えると、転職エージェント側が条件に見合った求人を紹介してくれます。
この時紹介される求人は有名な大企業から、ベンチャー企業まで様々です。
その中から自分に興味のある企業を選び、転職エージェント経由で応募することになります。
転職エージェントが就職援護と決定的に違うのは、コチラ側のスキルや経験に合いそうな求人も合わせて紹介してくれるところです。
自分では気づかなかった特徴やアピールポイントを炙り出してくれるので、以外と適正のある仕事が見つかる可能性が高くなります。
一番のオススメは転職エージェントを使うこと
色々な再就職先の探し方をご紹介してきましたが、自衛官に一番オススメできるのは転職エージェントです。
なぜかというと、転職エージェントは扱っている求人数が多く、転職者に対するサポートが充実しているからです。
- 自分の条件にあった求人の紹介
- スキル・経験に合いそうな求人を紹介
- 個人に対する面接練習
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 入社スケジュールの調整
よく「自分がどんな仕事をしたいのか分からない」という人がいるのですが、こうした人に対しても面談時にどういった仕事が向いているのかちゃんとヒアリングしてくれます。
また、自衛隊で働いていると民間で通用する資格やスキルが無いと、自己評価を下げてしまう人も多いのですが、実際はそうじゃないんですよね。
退職自衛官の体力、忍耐力、任務遂行能力というのは、以外と欲しがる企業が多いんです。
もちろん3K以外の業種でもです。
転職エージェントは企業側が欲しい人材というのを分かっていますから、自衛官のスキルを求めている企業がどんな企業かというのがわかるというわけなんです。
また、転職エージェントは非公開求人という、一般には公開されない特別な求人を扱っていることが多いです。
そういう求人は就職援護ではお目にかかることがまずありません。
思わぬ職業や好待遇の仕事もあったりしますから、ぜひ一度転職エージェントを使ってみてください。
任期制自衛官の再就職先があまり良くないは「ウソ」
よく、任期制自衛官の再就職先があまりよくない所が多いと言われています。
それは、任期制自衛官だからというわけではなく、転職の仕方にあると思っています。
就職援護が紹介する求人の多くは3Kが多いです。
体が丈夫で精神的にも強く、汚い職場でも大丈夫な人材が欲しい!
と思う企業からの求人が多いのが理由です。
つまり、任期制自衛官だから再就職先が良くないというよりも、
「就職援護を通して再就職するとパッとしない」といった方が正しいのかもしれません。
自衛隊の就職援護よりも、民間の転職支援サービスの方が求人数が良いのは確かです。
一番良いのは就職援護と転職サービスの両方を使って、自分に納得のいく再就職先を見つけることですね。