既婚自衛官の給料明細から、転職について考える【既婚者編】

 

独身営内暮らしの時とは変わって、既婚者の営外暮らしの場合の給料明細はどうなるのでしょうか？

給料が少ないと感じていて転職を考える場合は、独身の時とは違い家族がいるので慎重にならなければなりません。

転職すると年収が上がるという人は、よほどスキルがあるか専門職に転職するかしかありません。

国家公務員である自衛官を辞めた場合、ほとんどの人が民間企業に移り年収が下がります。

家族がいた場合のその後の生活にも影響しますから、自衛隊の福利厚生も良く確認しておきましょう。

既婚者自衛官の給与明細

結婚して子供がいないうちは、夫婦共に仕事をしている「共働き」が多いですね。

官舎に住んでも民間アパートに住んでも、よほど都会でない限り持ち出し額はほぼ一緒と言われていますので、

今回は官舎暮らしの場合の給与明細を見ていきましょう。

【例】２６歳既婚営外者の給料明細

営外になれば営外手当、さらに通勤手当が支給されるようになります。

その他手当は勤務内容や所属地域によって変わってくるので、今回は省きます。

 

では、上記の総支給額249,680円から、天引きされるものを見ていきましょう。

共済控除の内訳については下記の通りです。

※詳しくは「自衛官の給与明細から紐解く、給料から天引きされる項目【独身編】」をご覧ください。

 

上記の天引後、手取り金額は11万5401円ということになります。

 

「家庭持ちで手取り11万ってヤバくない！？」…と思う人もいるでしょう。

 

営外居住になって手当が7,500円ほど増えましたが、官舎代が天引きされています。

手取り額は独身営内のときより減っていますが、アパート代を支払ったと考えると良いでしょう。

⇒独身営内者の手取り額について

転職後に天引されるであろう金額

では、もし自衛隊を辞めて同じ給料のところに転職したらどうなるのか？

給与明細の項目は変わっても、引かれるものはほぼ同じです。

【例】給与253,690円からの天引額と手取り

自衛隊に居た時の手取り金額は11万5401円

民間に転職したときの手取り金額は20万2471円

 

「9万円も手取り多くなるじゃないか！」・・・と思うでしょう？

 

定積みの3万円は入っていないし、天引されていた生命保険10,000円も入っていません。

さらに官舎には住めないので、官舎代も天引されていません。

純粋に考えて約7万3千円を引いた額を手取りとして考えて良いでしょう。

つまり、12万9471円ですね。

自衛隊を辞めると、同じ給料でも1万4千円ほども手取り額に差があるのです。

転職すると消える家賃補助や官舎

既婚自衛官が自衛隊から受けられる大きな恩恵の一つとして、家賃補助や官舎があります。

官舎は広さの割には安い価格で借りられますし、民間アパートでも差大27,000円もの家賃補助があります。

しかし、全ての民間企業が家賃補助があるとは限りません。

場合によっては、転職したことにより生活費の負担が大きくなる可能性もあります。

自衛隊を辞めて手取りが増えても、手元に残るお金は少なくなるかもしれないのです。

⇒自衛隊の退職で金銭面が不安になるならFP（ファイナンシャルプランナー）に相談しよう！

 

子供ができると生活スタイルが大幅に変わる

夫婦共働きで妻もフルタイムで働いていれば生活に不安はないでしょう。

しかし、妻が妊娠・出産で仕事を辞めたり、短時間勤務になった場合はどうなるでしょう？

自衛隊では扶養手当が妻・子供に支給されます。

しかし全ての会社に扶養手当があるとも限りませんし、保育園に入れるにしても数万円単位でお金が飛んでいきます。

既婚者が将来のことを考えて自衛隊を辞めるとしたら、少し注意が必要ですね。

転職する際には、こうした福利厚生がしっかりしているかどうかを良く確認する必要もあります。
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